ヘアカットしようとすると全力で抵抗してくるという3歳の男の子をもつお母さんが赤ちゃんも一緒に来られました。
サロンの入り口で、まず「イヤ」ときっぱり。
「おもちゃがあるよ」・・・「イヤ」
「お茶でも飲もうか?」・・・「イヤ」
よくあるイヤイヤ期の一場面です。
あの手この手で誘って、カットはしないけどサロンで遊ぶことは受け入れてくれました。
その時の写真ではないけど、こんなイメージ。
とにかく本題に入りさえしなければ、ご機嫌。
その間、お母さんに普段のご様子をお聞きしつつ、子どもさんとのやりとりを楽しみます。
時には皮膚の感覚や聴覚がとても敏感で、ヘアカットが大きなストレスになるタイプのお子さんもおられるので、
「イヤ」に隠された原因をさがしていきます。
その子の場合、ことばでのコミュニケーションもとれるし、好きなことには夢中になれる素敵な姿がみえてきました。
30分ばかり遊んで、仲良くなれたところで核心をつく質問
「今日は髪を切りにきたんだよね?」
目をそらし、遊びを続ける男の子。お母さんは苦笑い。
思い切って話し合いに持ち込むことにしました。
赤ちゃんをほかのスタッフにお願いして、お母さんに男の子を抱っこしてもらいます。
赤ちゃん人形のイメージ写真です。
男の子は目をそらし、全力でお母さんの腕からのがれようと抵抗。
「イヤだ~~~」
そして大泣き。ひるむお母さんを励ましながら、男の子の本音を代弁していきます。
赤ちゃんが生まれてから、いろいろがんばってくれている健気な3歳さんの心・・・
「本当は赤ちゃんがうらやましいし、ぼくだって甘えたい。
もう赤ちゃんじゃないし立派なお兄ちゃんにもなりたい。」
この2つの相反する心が葛藤していたのです。
この本音をうまく伝えられなくて、苦しくなった結果の表現スタイルが「イヤ」ということばとヘアカット拒否という行動だったのです。
お母さんの対応も素敵でした。「大好き」を伝えながら男の子の泣きにつきあってくれました。
本音にフィットすることばがけとママのあったかい抱っこで、みるみる男の子が癒されていきます。
親子の絆のあたたかさを感じます。
そして、本題に入ります。
自分の言い分や本音をたっぷり受け止めてもらえた男の子は、ママや私の話にも耳を傾けるゆとりができました。
「チョキチョキいやなら、クロスに入る練習だけして帰ろう」
「ママと抱っこならいいよ」
そして、鏡の前の椅子に座ります。こんな感じです。
あの時の「ドヤ顔」。すばらしかったですよ。
「今度ははさみの音と、髪を切るとき痛くないかどうか試してみようか?」
「いいよ」
そしてチャレンジ。「できたね~痛くなかったね~」
「うん」と誇らしそうな笑顔。
時計の針で終わりの時間を伝えたら、全部カットすることをOKしてくれて、ついにイケメン男子ができあがり。
嫌がることも暴れることもなく協力してくれたので、美容師さんにもほめられてますます誇らしそうでした。
イヤイヤ期の子どもたちが抱える葛藤やストレスは大人の予想以上に大きいものです。身近にいればいるほど、見せかけの行動に振り回されてへとへとになり、親子関係までもがぎくしゃくしてしまうことは「子育てあるある」です。
ちょっと時間をとって本気の抱っこをしてあげると親子共に癒されますよ~~💛私たちがお手伝いすることもできるので、必要ならお声をかけてくださいね~